こんにちは、suzukaです。
今回ご紹介するのはこちら。
『読書を支えるスウェーデンの公共図書館:文化・情報へのアクセスを保障する空間』
当書の表紙を飾っているのは、ストックホルム市立図書館。
円筒型で目を引くオレンジ色の外観、館内には360度全方向に本を見渡すことができる特徴的な図書館で、首都ストックホルムの観光スポットとしても名を馳せています。
当書はスウェーデンの公共図書館に焦点を当て、図書館の歴史や制度、構造、サービスなどあらゆる情報が網羅されています。
地域に根付く公共図書館に注目することで、スウェーデン社会の特徴も浮かび上がってくるのが面白いところ。
本記事では、そんな『読書を支えるスウェーデンの公共図書館:文化・情報へのアクセスを保障する空間』の概要と私が着目したポイントをご紹介します。
ぜひご覧ください。
こんな方にオススメ
- 海外の図書館の構造やシステムに興味がある方
- スウェーデン社会に興味がある方
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『読書を支えるスウェーデンの公共図書館:文化・情報へのアクセスを保障する空間』の概要
書籍情報
題名:『読書を支えるスウェーデンの公共図書館:文化・情報へのアクセスを保障する空間』
筆者:小林ソーデルマン淳子、吉田右子、和気尚美
出版社:新評論
発行年月日:2012年9月15日
ページ数:256
あらすじ
人は誰しも本を読む権利があり、それを保証する場所が公共図書館?
100年にわたる歴史の中で弛みなく鍛えられてきた図書館文化の真髄。
(中略)本書を通じて、スウェーデンの公共図書館の実際の姿をお見せしながら、図書館が本を住民に届けるうえで、そして国全体の読書振興のためにいかに重要な役割を果たしているのかを考えていきたいと思う。また同時に、スウェーデンの人びとの普段着の生活と、読書をめぐるさまざまなエピソードを披露していくことにしよう。(後略)
出典:Amazon
『読書を支えるスウェーデンの公共図書館:文化・情報へのアクセスを保障する空間』のポイント
スウェーデンの公共図書館の働き
1つ目のポイントは、スウェーデンの公共図書館について知見を深めることができること。
歴史や現在行われているサービスなどスウェーデンの公共図書館についての情報が網羅されている、他に類を見ない書籍です。
スウェーデンの福祉システムや政治にフォーカスした書籍については比較的数がある中で、「図書館」という分野に目をつけるというのは新鮮だと感じました。
「生涯学習」はスウェーデン社会を語る上での一つのキーワードとして挙げられますが、これは公共図書館にも当てはまること。
国民皆が平等に情報にアクセスできる場としても大切な役割を果たしています。
近年は若者の読書離れなどが懸念されているため、より多くの人に本を読んでもらうための取り組みも紹介されています。
そして当書を読み進める上で日本の図書館とは異なる特徴が見られたことは、一層当書の内容に興味を惹かれた要因となりました。
公共図書館と学校図書館、公共図書館と出版界の関係における公共図書館の働きにも注目!
多様性あるスウェーデンならではの試み
2つ目のポイントは、多様性のあるスウェーデンならではの試み。
移民など様々な外国のバックグラウンドを持つ人が多く居住するスウェーデンでは、スウェーデン語学習を推進するだけではなく、母語学習に関する積極的な取り組みもみられます。
公共図書館も例外ではなく、この母語学習の機会を与える一端を担っています。
様々な言語の書籍を図書館に揃えるだけではなく、子ども達が母語に親しめるように就学前学校などの他の機関とも協力して、母語に触れ合える環境を作る。
言語によっては入手するのが困難な貴重な書籍も、図書館同士の華麗な連携によって、本を必要とする人にきちんと行き届くようなシステムが構築されています。
スウェーデンに住むのならスウェーデン語を学ぶのがまず第一と思われますが、母語へのアクセスもできるようにと人々の多様性を尊重する姿勢は素敵だと感じました。
スウェーデンで定められている「少数言語」にまつわる取り組みも、当書で紹介されています。
本を読む重要性の認識
3つ目のポイントは、スウェーデンの公共図書館の働きやサービスについて知見を深めるだけではなく、読書の重要性を認識できることです。
この点に関して、私の心に刻まれた言葉があります。
筆者の一人であるスウェーデンの児童司書の小林ソーデルマン淳子さんは、当書で以下のような表現をしました。
読書は文化的な差別意識に対する予防注射
p.164
読書が生きる上でどれほど大切なことなのか。
読書をする場所を提供する公共図書館はどのような存在であるべきなのか。
読書があなたにとって、どのような力となり、支えてくれるのか。
当書を読んで、一層、読書と公共図書館の意義を考えさせられました。
まとめ
以上、『読書を支えるスウェーデンの公共図書館:文化・情報へのアクセスを保障する空間』をご紹介しました。
スウェーデンの公共図書館の全体像を捉え、ストックホルム市立図書館やその他の地元の人々に親しまれる図書館を訪れてみるのはいかが?
当書を読むと、新たな発見がきっとあるはず。
皆さんも、ぜひご一読ください。
補足すると、デンマークとフィンランドの公共図書館についての書籍もあるので、ご興味のある方はこちらもチェックしてみてくださいね。
では、本記事をお読みになっていただきありがとうございました。Tack och vi ses!
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